◆緊急余談…1◆
【逆転の構図】学はいかにして生まれたか。
お?戻って来た。セカンドアルバムのデザインを終えて肩こり気味のプロフェッサー狩須、首をかしげながら登場!・・・
ロックンロル!はい、モメの用意。今日は第4条に行こうかと思っていたが2003年4月の実際の講義では【逆転の構図】学がい
かにして生まれたかについて、冒頭にショートコントをやったのだった。が、ここでは再現できないんで、それはいずれDVDに
でもしよう。と思ったら、ニューヨークのネットマガジン<プチモール> http://www.petitemort.org/ からインタビュ
ーを受けた。しかも、【逆転の構図】学がいかにして生まれたかについて質問を受けたので、その答えを、ここで流用しちゃって
よかですか。
 
それでは【逆転の構図】学が生まれた衝撃的笑激事件が2件あるんで、そのうちの1件を文章で紹介しよう。但し、文章では限界
がある。あとは学生くん達の想像力でカバーしてくれや!
*シーン(1)

 それはよく晴れた日曜日でした。俺が陽の当たる歩道を、ビートルズのペニーレインを口笛で吹きながら歩いていると、後ろから そそくさと急ぎ足でやって来て、俺を追い抜いていく男がおりました。<日曜日に、目の前にいる人間を追い抜いて歩くのが趣味 の、イヤな男>かなあ・・・と思っていると、その男は俺の前で、突然、マンホールの出っ張りにつまずき、大きく前のめりになって しまいました。顔が地面につくくらいにスレスレになった危険な態勢を、なんとか両手でバランスを取り、上体を起こし直すと、 その勢いで急に走り出したのです。あたかも市民マラソンランナーのように走り出したのです。  そう、『私は、最初から走りたかったのだ!』と言わんばかりに素晴らしいフォームで走るその姿。さっき、俺を抜いたので明 らかに俺に見られていることを知っている彼は、もちろん振り向きもしませんでした。しかもバカ受けしている俺の目の前で、彼 はもっとスゴイ展開に出ました。なんと、その時偶然、バス停の前にさしかかり、次の瞬間、バスが彼を追い越してバス停に止ま るやいなや、彼はスピードを落とさずに振り向きもせず、そのままそのバスに飛び乗ってしまったのです。男はバスに乗って遠く へ行ってしまいました。やがて俺のバカ受けは、大笑いから感動へと変わっていきました。    もちろん、その男が本当にそのバスに乗りたかったかどうか?本人しかわかりません。俺が一部始終を見ているので、何処行き のバスか確かめもせずに飛び乗ったその男は、その後、目的地についたかどうか、定かではありません。しかし、目的地に着いて いたら、大成功。あの一瞬の恥ずかしい不利なつまずきが、彼を走らせバスに間に合わせたのですから。 これぞ【逆転の構図】です。  仮に、恥ずかしさのあまり、ただただそこに居れなくなってバスに飛び乗り、彼が料金を損していたとしても、俺は、彼からた いへん幸せな日曜日をもらいました。
◆緊急余談…2◆
【逆転の構図】学はいかにして生まれたか2(ツー)。
セカンドアルバムのマスタリングを終えたプロフェッサー狩須、目薬さして再登場!…
『ロックンロール!はい、モメの用意。脱線ついでに【逆転の構図】学がいかにして生まれたかについてもう一件の衝撃的笑激事件を文章で紹介しよう。但し、文章では限界がある。あとは学生くん達の想像力でカバーしてくれや!
*シーン(2)

 それは8月、長崎特有の蒸し暑い日曜日の午後でした。俺が陽の当たる坂道を、ボブ・マーレーのラスタマン・バイブレーショ ンを口笛で吹きながら歩いていると、正面からナイキのジョギング・ウエアをまとった市民ランナーが走ってきておりました。 そこは狭い歩道だったので、このペースなら30メートル先の街灯の前ですれ違うことになるなあ…そこはさらに狭い場所だから ぶつかる危険がある。俺、チョット急ごうかなあ…などと思案しているうち、坂を下ってくるその市民ランナーは、かなり接近し ておりました。おそらく、同じことを考えていた彼は、俺とクロスする地点を広い場所に持っていくために、自分のランニング・ スピードを速くしてきたのです。    お互いが計算してさらに距離を思案しているうちに、それは起こってしまいました。その男は俺の目の前で、突然、マンホール の出っ張りにつまずき、大きく前のめりになってしまいました。顔が地面に付くくらいにスレスレになった危険な態勢を、なんと か両手でバランスを取り上体を起こし直すと、まるで下り坂が得意かのように下りの勢いさながらスピードを速めてきたのです。  さあ、一部始終を正面から見ていた俺と、間もなくすれ違います。俺は、クスクス笑いながらも大丈夫かな、ケガしてないかな …と心配しつつ、見てなかった振りをしてすれ違おうとしました。と、その寸前、俺をケアするかのように、ややスピードを落と して軽やかにすれ違い、走り交わしたのです。まるで下り坂が得意であるかのように。    俺はまず、その咄嗟の減速技術に驚きました。しかし、その男のワザはそれだけではありませんでした。なんと、彼はすれ違い ざま、・・・・・小声で・・・・歌っていたのです。あの緊急事態に歌うことのできるその装い。一部始終を正面から見ていた俺に対して、 いいえ何も起こらなかったはずでしょっ、と言わんばかりのその装い。  さらに、ただ者ではなかったのは、その時の歌の中身でした。・・・・あっ、知ってる!なんだこのメロディー…そう、それは、世 界中の人が一番よく知っているかもしれない曲・・・・・・<ジングルベル>でした。『ジングルベル・・ジングルベル・・雪が降る…』真 夏の暑い8月にジングルベルです。しかも歌詞を間違っていました。    ところが、その走るテンポと曲のリズムは見事にマッチ。俺がふり返ると、そこにはまるで下り坂が得意かのように、ジングル ベルのグルーブでどんどん小さく遠ざかっていく市民ランナーの背中がありました。背中のナイキのマークは、やがてトンビにな りヒゲになりチェックになって消えていったのです。    そしてそこには、一瞬であっけにとられた俺の大笑いが響いていたのでした。これぞ、【逆転の構図】、市民ランナーのつまず きが、俺の蒸し暑い8月を笑いとジングルベルの清涼感で癒し、市民ランナーの足腰は、下りのつまづきによって強靱に鍛え上げ られたのです。
 いずれにせよ、これが【逆転の構図】を見た最初の瞬間だった。人生にはこんなシーンがいっぱいありそうだ。
 以上、*シーン(1)(2)の二つの体験が、この学問【逆転の構図】を産んだのです。
 
*それでは休憩。第C条以下の補足はまた今度。プロフェッサー狩須、セカンドアルバムのマスタリングの音が気に入らず、やり
直しのために退場!それではロックンロール!』
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